【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
立ち往生するマリアに、路肩でジューススタンドを開く夫人が話しかけてきた。
「あんた知らないのかい。今日は月に一度、市場にアクセサリー商店が集まる日なんだよ。みんな、この時計台を目印に待ち合わせて行くのさ。こんな混雑じゃ、お相手と会えなくてもしょうがないよ!」
「しょうがない、ね……」
そんな風に慰められたら、かえってマリアは燃えてしまうではないか。
「わたくし、絶対にレイノルド様を見つけて見せますわ」
自信はあった。なぜなら、マリアは恋をしているのだから。
恋人同士は、どんなに遠くからでも、どんな人混みのなかでも、相手が判別できるらしい。
こんな環境でもお互いを見つけられたなら、マリアとレイノルドが心から想い合っている証になる。
ひとまず時計台を目指すことにして、意を決して人の流れに飛び込んだのだが……。
「あんた知らないのかい。今日は月に一度、市場にアクセサリー商店が集まる日なんだよ。みんな、この時計台を目印に待ち合わせて行くのさ。こんな混雑じゃ、お相手と会えなくてもしょうがないよ!」
「しょうがない、ね……」
そんな風に慰められたら、かえってマリアは燃えてしまうではないか。
「わたくし、絶対にレイノルド様を見つけて見せますわ」
自信はあった。なぜなら、マリアは恋をしているのだから。
恋人同士は、どんなに遠くからでも、どんな人混みのなかでも、相手が判別できるらしい。
こんな環境でもお互いを見つけられたなら、マリアとレイノルドが心から想い合っている証になる。
ひとまず時計台を目指すことにして、意を決して人の流れに飛び込んだのだが……。