【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
5話 きこなしは乙女次第
ジステッド公爵家の温室で、マリアはミゼルとお茶を楽しんでいた。
「――その店で、レイノルド様がおそろいのアクセサリーを買ってくださったの」
待ち合わせデートで買ったスズランのブローチは、今日もマリアの胸にあった。
着ているマドラスチェックのドレスには似合わないが、このブローチを付けているとレイノルドが側にいる気がして、どんな服でも身につけてしまうのだ。
涼しげなフレアードレスを着たミゼルは、照れた風にブローチを見つめるマリアに微笑みかける。
「マリアヴェーラ様のお人柄を表わしたように可愛らしいブローチですね。しかも、スズランの意匠だなんて。お二人にぴったりだわ」
「スズランがどうかして? たしか、毒を持っている花よね」
ネリネと令嬢たちに〝枯れどきを知らない毒花〟と呼ばれていたのを思い出す。
「――その店で、レイノルド様がおそろいのアクセサリーを買ってくださったの」
待ち合わせデートで買ったスズランのブローチは、今日もマリアの胸にあった。
着ているマドラスチェックのドレスには似合わないが、このブローチを付けているとレイノルドが側にいる気がして、どんな服でも身につけてしまうのだ。
涼しげなフレアードレスを着たミゼルは、照れた風にブローチを見つめるマリアに微笑みかける。
「マリアヴェーラ様のお人柄を表わしたように可愛らしいブローチですね。しかも、スズランの意匠だなんて。お二人にぴったりだわ」
「スズランがどうかして? たしか、毒を持っている花よね」
ネリネと令嬢たちに〝枯れどきを知らない毒花〟と呼ばれていたのを思い出す。