【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
「こちらでポーズをとっていただけますか。まっすぐではなく、片腕を肘掛けにもたれさせて座ってください。扇などあればお持ちになってかまいません」
「分かりました」
マリアは、ソファに深く腰かけると、肘掛けにもたれて斜めに体を倒した。
クレロの指示で、顔をキャンバスに向け、窓の方に向けて胸を突き出す。
体をくねらせた方が、ドレス姿が美しく見えるのだそうだ。
キャンバスの近くに戻ったクレロは、指で四角い枠を作ると、マリアを覗き込んで「ちがう」と呟いた。
「高嶺の花のような気品には、何かが足りない……」
ふいに思い立ったクレロは、侍女に近づいて耳打ちすると、ツカツカとソファに歩み寄ってきた。
布をはった座面に膝をつき、仰向けになったマリアに覆いかぶさる。
「貴方の美しさを、私が引き出して差し上げます」
「え……?」
「分かりました」
マリアは、ソファに深く腰かけると、肘掛けにもたれて斜めに体を倒した。
クレロの指示で、顔をキャンバスに向け、窓の方に向けて胸を突き出す。
体をくねらせた方が、ドレス姿が美しく見えるのだそうだ。
キャンバスの近くに戻ったクレロは、指で四角い枠を作ると、マリアを覗き込んで「ちがう」と呟いた。
「高嶺の花のような気品には、何かが足りない……」
ふいに思い立ったクレロは、侍女に近づいて耳打ちすると、ツカツカとソファに歩み寄ってきた。
布をはった座面に膝をつき、仰向けになったマリアに覆いかぶさる。
「貴方の美しさを、私が引き出して差し上げます」
「え……?」