【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
7話 きぜんたる悪女糾弾
晴れやかな日の午後。緑が豊かな宮殿の庭で、日傘を差したマリアはレイノルドと歩いていた。
単なるお外デートではない。
婚約披露パーティーの会場を下見しているのである。
正式な婚約式典は、国王が見守るなか行われる公事になる。その前に王侯貴族にだけ顔見せするのが、王族が婚姻する際のしきたりとなっていた。
二人の先には案内役の側近がいて、会場の設えを説明していく。
長話に付き合っていたレイノルドは、天高く昇った太陽を見上げてネクタイを緩めた。
「少し暑いな」
「仕方ありませんわ。もうすぐ夏ですもの」
タスティリヤ王国は、陽光がたくさん降りそそぐ温暖な国だ。
真冬でも雪が降ることはまれで、基本的に春先から冬のはじめまで、厚い防寒着なしで過ごすことができる。
陽気で明るい国民性は、気候による影響が大きい。
単なるお外デートではない。
婚約披露パーティーの会場を下見しているのである。
正式な婚約式典は、国王が見守るなか行われる公事になる。その前に王侯貴族にだけ顔見せするのが、王族が婚姻する際のしきたりとなっていた。
二人の先には案内役の側近がいて、会場の設えを説明していく。
長話に付き合っていたレイノルドは、天高く昇った太陽を見上げてネクタイを緩めた。
「少し暑いな」
「仕方ありませんわ。もうすぐ夏ですもの」
タスティリヤ王国は、陽光がたくさん降りそそぐ温暖な国だ。
真冬でも雪が降ることはまれで、基本的に春先から冬のはじめまで、厚い防寒着なしで過ごすことができる。
陽気で明るい国民性は、気候による影響が大きい。