【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
3話 さいかいの薔薇庭園
アルフレッドに婚約破棄を告げられたマリアを待ち受けていたのは、第二王子からの求婚や父の叱責だけではなかった。
貴公子たちの卒業を祝うという名目で開かれた、王立薔薇園でのティーパーティー。大輪の薔薇がのぞめる円テーブルで、ヴァトープリーツがついた優雅なドレス姿のマリアは紅茶を飲んでいた。
同席する者はいない。あからさまに孤立している。
これまでなら我先にとマリアに話しかけていた令嬢たちは、各々グループを作ってヒソヒソ話。マリアに向けられる憐れみの視線から、話題は想像するにかたくない。
(十中八九、わたくしへのあざけりでしょうね)
さんざん『高嶺の花』と崇めてきた令嬢のトップが、大勢のまえで婚約破棄されたのだ。マリアへの妬みや嫉みを胸中に飼っていた連中にとって、これほど溜飲が下がるイベントもなかっただろう。
もはやマリアは遠慮する必要はない相手。
たとえ公爵家の名札をつけていようとも、見下せるポイントができたら標的になるのが、令嬢付き合いの面倒くさいところだ。
貴公子たちの卒業を祝うという名目で開かれた、王立薔薇園でのティーパーティー。大輪の薔薇がのぞめる円テーブルで、ヴァトープリーツがついた優雅なドレス姿のマリアは紅茶を飲んでいた。
同席する者はいない。あからさまに孤立している。
これまでなら我先にとマリアに話しかけていた令嬢たちは、各々グループを作ってヒソヒソ話。マリアに向けられる憐れみの視線から、話題は想像するにかたくない。
(十中八九、わたくしへのあざけりでしょうね)
さんざん『高嶺の花』と崇めてきた令嬢のトップが、大勢のまえで婚約破棄されたのだ。マリアへの妬みや嫉みを胸中に飼っていた連中にとって、これほど溜飲が下がるイベントもなかっただろう。
もはやマリアは遠慮する必要はない相手。
たとえ公爵家の名札をつけていようとも、見下せるポイントができたら標的になるのが、令嬢付き合いの面倒くさいところだ。