【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
ぞっと背筋が寒くなった。
アルフレッドへの恋慕が突如として打ち砕かれたように、今度はレイノルドまで奪われるのだろうか。
憂鬱に取り憑かれそうになったマリアの視界に、キラリと反射する光が入った。
光っているのは、スズランのブローチだった。
お揃いのネクタイピンは、レイノルドの元にある。ペアルックなんて柄ではないのに、マリアが喜ぶから身に付けてくれている。
(レイノルド様は、彼なりにわたくしを想ってくださっているわ。それで十分よ)
マリアは、クレロに掴まれていた手を、さっと引いた。
「ご馳走様でした。手が汚れたので洗って参りますわね」
侍女の手を借りて立ち上がったマリアに、クレロは言い募る。
アルフレッドへの恋慕が突如として打ち砕かれたように、今度はレイノルドまで奪われるのだろうか。
憂鬱に取り憑かれそうになったマリアの視界に、キラリと反射する光が入った。
光っているのは、スズランのブローチだった。
お揃いのネクタイピンは、レイノルドの元にある。ペアルックなんて柄ではないのに、マリアが喜ぶから身に付けてくれている。
(レイノルド様は、彼なりにわたくしを想ってくださっているわ。それで十分よ)
マリアは、クレロに掴まれていた手を、さっと引いた。
「ご馳走様でした。手が汚れたので洗って参りますわね」
侍女の手を借りて立ち上がったマリアに、クレロは言い募る。