【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
「承知しました。殿下はお喜びになるでしょう。二日前にお倒れになるまでは、連日、貴方様からの手紙が届いていないか気にされていましたから」
「わたくしからの手紙を、待っておられたのですか?」
「ええ。手紙が届かないなら、殿下自らジステッド公爵家に行きたいとおっしゃっていました。しかし、いま行動すれば余計な不評が立つので、側近一同でおいさめしたのです。『国を破滅させる預言があったのに、どうして第二王子は婚約を破棄しない』という過激な意見が噴出しておりまして……。殿下は、こちらでお休みです」
豪奢な扉の向こうの部屋は、カーテンがぴっちり閉められていて、うす暗い。
中央に置かれた、天蓋つきのベッドのシーツがこんもりと盛り上がっている。
隣の部屋に控えていると言って側近が離れたので、マリアは一人でベッドに近づいた。
そっと覗き込むと、レイノルドは深く眠っていた。
熱があるのか頬が赤く、額は汗ばんでいる。寝息はゼイゼイと苦しそうだ。
「わたくしからの手紙を、待っておられたのですか?」
「ええ。手紙が届かないなら、殿下自らジステッド公爵家に行きたいとおっしゃっていました。しかし、いま行動すれば余計な不評が立つので、側近一同でおいさめしたのです。『国を破滅させる預言があったのに、どうして第二王子は婚約を破棄しない』という過激な意見が噴出しておりまして……。殿下は、こちらでお休みです」
豪奢な扉の向こうの部屋は、カーテンがぴっちり閉められていて、うす暗い。
中央に置かれた、天蓋つきのベッドのシーツがこんもりと盛り上がっている。
隣の部屋に控えていると言って側近が離れたので、マリアは一人でベッドに近づいた。
そっと覗き込むと、レイノルドは深く眠っていた。
熱があるのか頬が赤く、額は汗ばんでいる。寝息はゼイゼイと苦しそうだ。