【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
王妃が目で合図を送ると執事がやってきて、マリアの前に二客のカップを置き、それぞれ別のポットから紅茶を注いだ。
どちらも薫り高いダージリンだ。
対する王妃の方には、一客も置かれていない。
「殿下、どうしてわたくしにだけ二杯も紅茶をお出しになったのですか?」
「それはね、マリアヴェーラさん。そのカップのどちらか片方に、自白剤が入っているからですわ」
「自白剤!?」
あくまで笑顔を崩さない王妃は、戸惑うマリアに勝負を持ちかける。
「貴方は、ジステッド公爵家はじまって以来の才媛ですもの。急にお泊まりしたと聞いたから、どんなひどい格好を見せてくれるかしらと思っていたのに、綺麗に身だしなみを整えてきた。それを見て、察しましたの。この令嬢は、レイノルドを手中に収めて次期王妃となるためなら、どんな策略を使うか分からないと」
どちらも薫り高いダージリンだ。
対する王妃の方には、一客も置かれていない。
「殿下、どうしてわたくしにだけ二杯も紅茶をお出しになったのですか?」
「それはね、マリアヴェーラさん。そのカップのどちらか片方に、自白剤が入っているからですわ」
「自白剤!?」
あくまで笑顔を崩さない王妃は、戸惑うマリアに勝負を持ちかける。
「貴方は、ジステッド公爵家はじまって以来の才媛ですもの。急にお泊まりしたと聞いたから、どんなひどい格好を見せてくれるかしらと思っていたのに、綺麗に身だしなみを整えてきた。それを見て、察しましたの。この令嬢は、レイノルドを手中に収めて次期王妃となるためなら、どんな策略を使うか分からないと」