【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
マリアヴェーラは、いつも侍女と着替えを用意して外出する。前の婚約者に振り回されて身についた癖だったが、特に今回は役に立った。
レモンイエローのサマードレスを、衿の詰まったワインレッドのドレスに着替え、侍女の手を借りて髪をまっすぐに梳いてもらい、ココシニク風のカチューシャを挿してまとめている。
年上の女性に好かれる、控えめで品のある装いだ。
それが、今日の王妃は気に入らないらしい。
いや、気に入っているからこそ、今回は認めるわけにはいかないと言いたげだ。
「いびり甲斐がないわ……。アルフレッドの隣にいた頃から、貴方はいつ見ても完璧だったものね。聡明で、度胸もある。結婚した暁には、必ずやレイノルドの助けとなる、素晴らしい王妃となるでしょう……でもね? 悪いけれど、貴方たちの恋を叶えるために、国が滅んでしまっては困るのよ」
レモンイエローのサマードレスを、衿の詰まったワインレッドのドレスに着替え、侍女の手を借りて髪をまっすぐに梳いてもらい、ココシニク風のカチューシャを挿してまとめている。
年上の女性に好かれる、控えめで品のある装いだ。
それが、今日の王妃は気に入らないらしい。
いや、気に入っているからこそ、今回は認めるわけにはいかないと言いたげだ。
「いびり甲斐がないわ……。アルフレッドの隣にいた頃から、貴方はいつ見ても完璧だったものね。聡明で、度胸もある。結婚した暁には、必ずやレイノルドの助けとなる、素晴らしい王妃となるでしょう……でもね? 悪いけれど、貴方たちの恋を叶えるために、国が滅んでしまっては困るのよ」