【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
王妃は、『聖女に破滅の預言をされて、婚約破棄されそうになったマリアが、風邪で気弱になっているレイノルドをたぶらかして、一夜の誓いをかわさせた』と思っているらしい。
(王家に嫁ぐ女性は、慎ましくあるべき……。それを破ったとあれば、国王が結婚を認めない理由になるわ)
だから、王妃はマリアに出す紅茶に自白剤を入れた。
二つのカップの内、片方にしか入れていないのは、マリアに選択肢を与えて自分が一方的な悪者になるのを防ぐためである。
全てが終わった後、執事はこう証言するはずだ。
『――自白剤の入っていない紅茶もあったのに、ジステッド公爵令嬢は、あえて入っている方をお飲みになり、自らの罪を告白なされたのです――』
(王家に嫁ぐ女性は、慎ましくあるべき……。それを破ったとあれば、国王が結婚を認めない理由になるわ)
だから、王妃はマリアに出す紅茶に自白剤を入れた。
二つのカップの内、片方にしか入れていないのは、マリアに選択肢を与えて自分が一方的な悪者になるのを防ぐためである。
全てが終わった後、執事はこう証言するはずだ。
『――自白剤の入っていない紅茶もあったのに、ジステッド公爵令嬢は、あえて入っている方をお飲みになり、自らの罪を告白なされたのです――』