【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
 自責の念を抱いて、自ら自白したとなれば、ジステッド侯爵家へのお咎めも少しは軽くなる。
 王妃の温情は、マリアを気に入っているからこその配慮だろう。

(困ったわ)

 マリアは、二客のカップを見下ろした。

 どちらも水色は同じ淡い紅茶色。香りもまったく一緒。湯気の立ち方から、温度や抽出時間も同じだと分かる。

 果たして、どちらが自白剤入りなのか。

(こういうときは――)

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