【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
「ここからは、思惑抜きでお茶を楽しみましょう。どのお菓子も私の好物なのよ」
王妃の勧めでラズベリーパイを食べたマリアは、バターの香りと甘酸っぱい味わいにほっぺたが落ちそうになった。
思わず頬を紅潮させると、王妃は「あら」と意外そうに瞬きした。
「貴方、高嶺の花というより、砂糖菓子みたいな子なのね。そういえば、ジステッド公爵が肖像画家のレンドルムを招いたというのは本当なの?」
「はい。今、わたくしの絵を描いてもらっています」
「大丈夫?」
「はい?」
王妃は、心配そうな顔つきで壁を見やった。
そこには、少し雑なタッチで描かれた王妃の肖像画がかけられている。
「この下手な肖像画、レンドルム作なのよ」
王妃の勧めでラズベリーパイを食べたマリアは、バターの香りと甘酸っぱい味わいにほっぺたが落ちそうになった。
思わず頬を紅潮させると、王妃は「あら」と意外そうに瞬きした。
「貴方、高嶺の花というより、砂糖菓子みたいな子なのね。そういえば、ジステッド公爵が肖像画家のレンドルムを招いたというのは本当なの?」
「はい。今、わたくしの絵を描いてもらっています」
「大丈夫?」
「はい?」
王妃は、心配そうな顔つきで壁を見やった。
そこには、少し雑なタッチで描かれた王妃の肖像画がかけられている。
「この下手な肖像画、レンドルム作なのよ」