【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
「え? この……言っては何ですが、パッとしない色合いで、王妃殿下の美しさを微塵も表現できていない、これが?」
「驚くでしょう。辺境伯の息子だというから頼んだのだけれど、期待外れだったわね。その後で才能が開花したのか、急に評判が良くなったらしいわ。ネリネさんが自分も描いてもらったと自慢してきたの。描写が下手なのは変わらずだったけれど、不思議と輝いて見える絵を描くようになっていたのよね。不思議だわ」
レンドルムの絵が、あまり巧みでないことにはマリアも気づいていた。
プロになったばかりのような初々しい描写でも、なぜか輝いて見える。
だから、女性に人気なのだと思っていたが――。
マリアは、王妃の肖像画を見上げて物思う。
(クレロ様の絵が輝いて見えるのは、なぜなのかしら?)
「驚くでしょう。辺境伯の息子だというから頼んだのだけれど、期待外れだったわね。その後で才能が開花したのか、急に評判が良くなったらしいわ。ネリネさんが自分も描いてもらったと自慢してきたの。描写が下手なのは変わらずだったけれど、不思議と輝いて見える絵を描くようになっていたのよね。不思議だわ」
レンドルムの絵が、あまり巧みでないことにはマリアも気づいていた。
プロになったばかりのような初々しい描写でも、なぜか輝いて見える。
だから、女性に人気なのだと思っていたが――。
マリアは、王妃の肖像画を見上げて物思う。
(クレロ様の絵が輝いて見えるのは、なぜなのかしら?)