【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
 生ハムのカナッペを味わっていると、コンコンと扉をノックされた。

「悪い。待たせた」

 現われたのはレイノルドだった。アルコールが入っているのに、少しも酔っていなさそうな足どりで部屋に入ってくる。

「もっとゆっくりされていてもよろしくてよ。美味しい料理をいただいていますから」
「あんたがいないと面白くない」

 レイノルドは、マリアが被った薄布を前で合わせると、手をにぎった。

「天文室が空いた。星を見よう」

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