【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
「綺麗だわ……」
「俺も見たい」

 突然、レイノルドに後ろから抱きしめられた。
 ドキッと鼓動をはねさせるマリアの動揺を知ってか知らずか、甘えるように肩先に顔をのせている。

「ど、どうぞご覧になってください」

 マリアは望遠鏡の前からどけようとするが、レイノルドは、マリアのお腹に腕を回したままレンズを覗き込む。

「……ああ、綺麗だ」

 低い声が耳元で響く。
 背中に感じる体温が熱い。
 新たな星を見つけるたびに漏れる息の甘さに、マリアはカーッと赤くなった。

(ど、どど、どうしたらいいの、これは!?)

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