【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
ネリネが口止めしようとしたがもう遅い。
思わぬ大暴露に、国王がぴくりと反応した。
「根回しとは、どういうことだ」
「わたくしからご説明いたしますわ、国王陛下」
マリアは、小脇に挟んでいた預言の書を開いた。
そこには、聖女ネリネが今までした預言が一字一句漏らさずに記録されている。
「聖女ネリネがもたらした預言の的中率について、気になって調べさせていただきました。幼い頃の預言は『嵐が来そう』とか『盗みかスリが起きる』とか『川が氾濫するかも』とか天気予報くらいの曖昧なものでしたが、あるときから具体的な預言に変わります。四年前、果実の値段が高騰して混乱が起きたため、市場が閉鎖される騒ぎになったのを覚えておられますか?」
「ああ。その前に、豊かな土壌で知られる『ゼグレ地方で不作がある』という聖女の預言があった。まさしくその通りになったのを良く覚えている」
「それ、大嘘ですわ」
「なんだと?」
ニコリと微笑んだマリアは、アルフレッドを顎で呼び、彼に持たせていた書簡を広げさせた。
純白の便箋は、ゼグレ領主からマリアへの返信だ。
思わぬ大暴露に、国王がぴくりと反応した。
「根回しとは、どういうことだ」
「わたくしからご説明いたしますわ、国王陛下」
マリアは、小脇に挟んでいた預言の書を開いた。
そこには、聖女ネリネが今までした預言が一字一句漏らさずに記録されている。
「聖女ネリネがもたらした預言の的中率について、気になって調べさせていただきました。幼い頃の預言は『嵐が来そう』とか『盗みかスリが起きる』とか『川が氾濫するかも』とか天気予報くらいの曖昧なものでしたが、あるときから具体的な預言に変わります。四年前、果実の値段が高騰して混乱が起きたため、市場が閉鎖される騒ぎになったのを覚えておられますか?」
「ああ。その前に、豊かな土壌で知られる『ゼグレ地方で不作がある』という聖女の預言があった。まさしくその通りになったのを良く覚えている」
「それ、大嘘ですわ」
「なんだと?」
ニコリと微笑んだマリアは、アルフレッドを顎で呼び、彼に持たせていた書簡を広げさせた。
純白の便箋は、ゼグレ領主からマリアへの返信だ。