【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
6話 かわいいは先手必勝
「どういうことですの?」
マリアは応接間に入るなり、出された紅茶を飲んでいたレイノルドに詰め寄った。
先日のアルフレッドに見紛う正装とは異なり、私用の黒いコートジャケットを着ていた彼は小首を傾げる。
「何か問題でもあったか?」
「外歩きに行こう、というお誘いは構いませんわ。問題はそのあとです。『薔薇庭園で着ていた小花柄のドレスをもう一度見たい』というのは、一体なんですの?」
庭園で開かれたお茶会で、いじわるな令嬢たちに水をかけられたマリアは、予備のドレスに着替えた。
流行している可憐なデザインだったが、煌びやかなマリアの容姿には似合っていなかったため、控え室にこもって誰にも会わないように心がけた。
(それなのに……!)
マリアは応接間に入るなり、出された紅茶を飲んでいたレイノルドに詰め寄った。
先日のアルフレッドに見紛う正装とは異なり、私用の黒いコートジャケットを着ていた彼は小首を傾げる。
「何か問題でもあったか?」
「外歩きに行こう、というお誘いは構いませんわ。問題はそのあとです。『薔薇庭園で着ていた小花柄のドレスをもう一度見たい』というのは、一体なんですの?」
庭園で開かれたお茶会で、いじわるな令嬢たちに水をかけられたマリアは、予備のドレスに着替えた。
流行している可憐なデザインだったが、煌びやかなマリアの容姿には似合っていなかったため、控え室にこもって誰にも会わないように心がけた。
(それなのに……!)