【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
10話 おもいでは美辞麗句
「――それで、あんたにプロポーズした」
レイノルドから過去を聞かされたマリアは戸惑っていた。
ハートの木に向かって、恋が叶うように祈った記憶はある。だが、となりにいたのがアルフレッドではなく、レイノルドだったということは今まで忘れていた。
(わたくしを、ずっと、想っていた?)
レイノルドは、そんな素振り少しも見せなかった。マリアが卒業パーティーで婚約破棄されて、裏庭の奥の奥で大泣きするまで、会話の一つもしなかったのだ。
彼にとって、あの日、マリアに出会えたのは最後の幸運だったのかもしれない。
タイミング良くあの場に現われるなんて奇跡、そうそう起こるものではない。
レイノルドから過去を聞かされたマリアは戸惑っていた。
ハートの木に向かって、恋が叶うように祈った記憶はある。だが、となりにいたのがアルフレッドではなく、レイノルドだったということは今まで忘れていた。
(わたくしを、ずっと、想っていた?)
レイノルドは、そんな素振り少しも見せなかった。マリアが卒業パーティーで婚約破棄されて、裏庭の奥の奥で大泣きするまで、会話の一つもしなかったのだ。
彼にとって、あの日、マリアに出会えたのは最後の幸運だったのかもしれない。
タイミング良くあの場に現われるなんて奇跡、そうそう起こるものではない。