【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
「アルフレッド様に取り入って魔法を解禁させれば、魔法を使うために必要な『魔晶石』は飛ぶように売れて、スート商会が大もうけする。素敵な筋書きですわね」
「マリアヴェーラ様、ひどいことをおっしゃらないでください。わたしは、アルフレッド様を騙すつもりなんてありません。心よりお慕いしているのです」
「プリシラ……!」

 感動したアルフレッドが彼女を抱き寄せた。すると、壁際のレイノルドが吹きだした。双子の弟の失礼な態度に、アルフレッドは烈火のごとく怒る。

「いい加減にしろ、レイノルド。彼女にこれ以上、失礼な真似は許さないぞ!」
「兄貴。あんた、新しい婚約者の身元は確認したのか?」
「身元だと? スート商会のご令嬢だと言うことは、お前も知っているだろう」

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