私だけの特別な時間。


「じゃあ高橋、よろしく」


この時、さらっと言われた私の苗字。


生徒会に、会計係になってよかった。
他の人よりも、柴田先生と関わる機会があるからすぐに名前を覚えてもらえたんだから。


「柴田先生って何歳なんですか?」
「25。高校生にとったらこの歳でももうおじさんだろ?」


「あはは!まだ全然若いじゃないですか。先生は制服着たらまだ高校生に見えますよ」
「さすがに高校生には見えないだろ」


「見えますよ」


放課後、柴田先生と会計係の仕事。
最初はかなり緊張したけど、話しているうちに緊張が和らいだ。


そして、たくさん先生のことを知る。


学生時代はサッカー部に入っていたこと、激辛のカレーが好きなこと、休みの日は読書をすること。
そして嘘か本当かわからないけど、柴田先生はまだ未婚で、彼女がいないこと。


別の日もまた会計係の仕事で先生と話して、少しずつ仲良くなった。


テストが近くなれば休み時間に先生に授業のことで質問しに行って。
そうやって、他の人よりも柴田先生と話す時間をつくった。


「高橋、よく頑張ったな」
「先生のおかげです!柴田先生、とってもわかりやすく教えてくださったので!」


「高橋の努力の成果だよ。ノートも綺麗にとってあったし、めちゃめちゃ勉強したんだろ」


優しく微笑んで、褒めてくれる先生。


返却された私の歴史のテストの点数は、100点。
先生に質問しに行ったり、褒めてもらえるようにすごく勉強した結果。

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