私だけの特別な時間。



私は、ただ先生と話すだけで満足。
そう思っていた、が……どうしても思ってしまうこと。

“もっと”って。

もっと話したいし、もっと近づきたい。
欲がとまらなくなる。


この恋は、いけないものだとわかっているのに。


第一、先生は私のことをただの生徒だとしか思っていない。
告白しても、フラれることはわかっている。


先生と生徒の恋なんてうまくいきっこない。
うまくいくのは、マンガや小説、ドラマの中でだけ。


わかっている、この恋を諦めなくちゃいけないって。


それでも、私は卒業式まで柴田先生を諦めることができなかった。




先生、私が告白したらどんな顔しますか?
そんなことをしたらもう、二度と話してくれませんか?


想いを伝えたい、けどその気持ちを飲み込んで。


「柴田先生!最後に写真撮ってください!」


先生に声をかけて、最後にツーショット写真を撮った。


「卒業おめでとう。高橋は生徒会の仕事も、授業も真面目に取り組む超優秀な生徒だったよ」


柴田先生が、笑顔で言ったこと。

< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop