思い出の音。
合わせた曲は、有名なアニメソング。
みんなの音を聴いているのも楽しかったし、その音に自分の声をのせるのも気持ちよかった。
きっと、この場にいる全員が同じことを思ったんだと思う。
こうして私は、バンドに加入。
月に2回、貸しスタジオにみんなで集まって音を合わせて、交流会を開いてくれて何度かファミレスに集まったりして。
すぐに仲良くなった。
「送ってく」
「え?大丈夫だよ?電車に乗って2駅だし、駅から家近いから」
「いいからいいから」
練習が終わると、いつも私を家の近くまで送ってくれる祐太。
バンドの練習はいつも学校が終わってからしていて、終わるのはいつも20時。
メンバーの中で私が1番家が遠いいことから、気にかけてくれていた。
「俺が曲作るっていったらどうする?」
月明かりに照らされて、隣を歩く彼が言ったこと。
祐太はミュージシャンを目指していて、知人に音楽を教わっていると以前言っていた。
「作るの!?」
「作りたいなーって。それで、曲ができたら七海ちゃんに歌ってほしいんだけど……」
「歌いたいっ!」
そう思ってくれたこと、すごく嬉しかった。