むすんで、ひらいて、恋をして
「あれだけ美味しいお弁当が食べられるのならば! 莉生様、料理の天才!
料理の神様、ここに降臨! こんな弟を持って、私はなんて幸せ者!」



「ぺらっぺらに安っぽいな、お前の褒め言葉……」



「へっ、これが素だからね。それとも」



胸の前で両手を組んで、じっと莉生を見つめて、うるんと目を潤ませる。



「莉生くん、いつも美味しいお弁当、ありがとう。アリス、感動して胸がいっぱいだお……。莉生くんほど素敵なひと、知らない。莉生くん、大好き~……って言ってほしい?」



さすがにイラついたのか莉生の顔色が、変わっていく。



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