むすんで、ひらいて、恋をして
莉生が、ひょいっと私の鞄をとりあげた。



「え?」



「カバン、持つ」



「え、ど、どうして?」



「アリス、ふらふらしてるから」



「こ、このくらい、大丈夫だよっ。ただの寝不足だし」



「けど、まあ、持つよ」



「あ、ありがとう?」



「ん」



ふわっと笑った莉生に、一瞬、見惚れて。



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