むすんで、ひらいて、恋をして
「で、体調は?」



「もう、完全復活っ。心配かけてごめんね」



すぐに強がるくせ、やめろ。



かえって、心配でたまらなくなる。



すると、アリスが口を尖らせてぽつり。



「でもさ……、どうしてすぐに付き合う、とか、付き合わないって話になるんだろうね」



「それはアリスが全男子の心を、かっさらってるからだろ。アリスに彼氏ができたらどうしようって、みんな気が気じゃないんだよ。家ではトドなのにな」



「莉生こそ大人気だよ。毎日、莉生の話題でもちきりだもん。莉生の彼女がどうとか、最近はそんな話ばっかり」



「……俺は誰とも付き合う気はないよ。面倒」



「そっか」



視線をそらして興味なさそうに、アリスが答える。



「……アリスこそ、四六時中、告白されてるんだろ」



「まさか! 高嶺の花の私に、告白してくるような勇気ある男子は、そうそういませーん」



「………強がり?」



「うっさいなー。私はこれでいいの! 彼氏とか本気でいらないし。でも、莉生はちゃんと彼女つくったほうがいいよ」



「ムカつくから、そういうこと言うな」



ぴんっとアリスの額を指で弾くと。



「っ!」



アリスが額を押さえて、涙目になる。



うわっ! やりすぎたっ!



< 472 / 554 >

この作品をシェア

pagetop