むすんで、ひらいて、恋をして
膝を抱えたアリスが、考えながら答えをつむぐ。



「んー……、莉生は優しくて」



「うん」



「信頼出来て」



「うん」



「理想の……」



「理想の?」



言葉をとめたアリスの顔をのぞきこむ。



「超便利な弟!」



「ふざけんなっ」



ひとの純粋な恋心をふみにじりやがって!



「莉生、痛いってば!」



わしゃわしゃとアリスの頭を乱暴になでると、アリスが無邪気な瞳で俺をみる。



「じゃ、莉生にとって私はどんな存在なの?」



「え? アリスがどんな存在か……?」



アリスのとび色の瞳を見つめながら、言葉を選ぶ。



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