むすんで、ひらいて、恋をして
「……なにそれ?」



「だからさ、困ったときは遠慮なく俺に甘えて来いってこと!」



「それなら、えいっ!」



どすんと寄りかかってきたアリスを、押しのける。



「甘え過ぎだ、ばか」



「甘えろって言ったじゃん」



「背もたれになるとは、言ってない」



「けちっ」



「ホントに、アリスは遠慮なく俺に甘えてくるよな」



「だって、弟でしょ?」



アリスの言葉に動きを止める。



「あのさ、これって正しい姉弟関係なのか?」



「さあ? 一人っ子だったから、正直、よくわからない」



「うん、俺もわかんない」



「じゃ、これでいいよ?」



「いいはず、ないだろ」



押し倒すぞ、バカが。



こっちの気持ちも知らないで。



どんだけ我慢してると思ってんだよ。



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