むすんで、ひらいて、恋をして
「……アリスはさ、彼氏、つくる気ないの?」



「最近、よく聞いてくるけど。そんなに彼氏、作ってほしい?」



まさか。



ほかの男の隣で笑ってるアリスの姿とか、耐えられるはずがない。



「莉生だからこうして甘えられるだけで、私、他の人に本心を言ったり、甘えたりできないと思うんだ……」



嬉しいのか、悲しいのかわからん。



それって、俺が弟だからだろ。



……こんなとき、『俺にしておけ』って言えたらいいのにな。



すると、アリスの視線がゆっくりと動いて、うちのおふくろの写真でとまる。



「私、いろいろ、信じられなくなっちゃってるからさ」



そう言って、悲しそうに笑うアリス。



アリスが考えていることが透けて見えて、そっとアリスの瞳をのぞきこむ。



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