むすんで、ひらいて、恋をして
「でもさ、莉生のお父さんとうちのお母さん、なんていうか、仲良いよね。あのふたりの関係は、ちょっと素敵だなって思う」




「ん、それは分かる。信頼しあってて、お互いが必要としてて」




「恋愛感情じゃないかもしれないけど、ああいうふたりもいいよね。最高に理解しあってるし、居心地良さそうだし」




「そうだな」




「だからさ、私も莉生と姉弟じゃなくなったけど、そうやって一緒にいられたらいいなって思うよ」





あえて、明るい声で笑顔をつくる。




「それは、……親友としてってこと?」




「んっ」





強がって笑って答えたのに。





「俺には、無理」





あっさりと拒絶されてしまった。



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