むすんで、ひらいて、恋をして
「これが、俺が出ていく理由。ごめんな、アリス。ずいぶん前から、俺はアリスのことが好きになってたんだよ。



姉弟だろうと、なかろうと……これ以上、アリスとは一緒に暮らせない。じゃあな。腹出して寝て、風邪ひくなよ」




パタンと扉が閉まって、莉生が視界から消えた。




一瞬、止まった心臓が、どく、どくっと動き出す。





莉生が、家を出ていく? 




莉生が、私のことを、………好き?




どっどっどっどっと、心臓の音が苦しいほどに早くなる。





……殴る。







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