むすんで、ひらいて、恋をして
「……あのね、アリス、頼むからやめて」




「……?」




「アリスのその笑顔、めちゃくちゃ可愛いって知ってる? そんな顔、見せられたら我慢なんてできなくなるんだよ」




「……我慢って?」




急に黙り込んでしまった莉生の瞳を、のぞきこむ。




「……アリスのこと、抱きしめたり、……キス、したいって、ずっと……思ってた」




耳まで真っ赤になって、ぼそっと呟く莉生。




わっ……




莉生が、ちょっと可愛い……。





「こ、これからは、我慢なんて、しなくていい……よ?」





「……ホントに?」




「うんっ」





笑って答えると、莉生の瞳がきらりと輝いて。





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