むすんで、ひらいて、恋をして
「でさ、この旅館どう思う? さっきの話のつづきの温泉旅館」



アリスがスマホの画面をさしだすと、そこにはいくつかの旅館の写真が並んでいる。



「温泉なら手頃だし、1泊くらいならお父さんもお母さんも、仕事休めるんじゃないかな?」



「もうリサーチ済み?」



「できる女ですから」



「すげえな、いつの間に?」



「莉生が、夕飯作ってる間に」




「喜んで食うのはアリスだけどな」




「うん、天下一品に美味しいからね!」



アリスの笑顔も、天下一品に可愛いし。



……って‼



ふわっとアリスの甘い香りに包まれて、心臓爆破。



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