むすんで、ひらいて、恋をして
「……ありがとな。うちの親父のこと受け入れてくれて。知らないおっさんがいきなり父親になるなんて、抵抗があるはずなのにさ」



「莉生のお父さん、めちゃくちゃイケオジだから、嬉しいよ。なによりお母さんがホッとした顔してる」



「そっか」



「それに、感謝してるんだ。こんな大きな家で、一緒に生活させてもらって。自分の部屋までもらっちゃったし。こんなこと言って、嫌な想いさせたらごめん。でも、家賃とかそういう経済的な負担から解放されて、お母さん、楽になったと思う」



「アリスって、正直だよな」



「本当のことだもん」



アリスがきゅっと口をむすぶ。



「アリスがここに来てくれて、俺はわりと嬉しいよ。俺の飯、褒めてくれるし。勉強も教えてもらえるしさ。暇しない」



「ははっ! それなら良かった。うおっとっ」



嬉しそうにふにゃっと笑ったアリスがバランスを崩して、俺の肩にもたれかかる。



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