なないろ。-short stories-
「一目惚れだったんだ、ホントに」
あの日をきっかけに連絡を取り合うようになった俺たちは高校生になって奇跡なのか運命なのか同じ高校で再会した。
同じクラスになって、隣の席になって。
自分ではどうしようもないくらい、彼女に惹かれて。
一見ふわふわしてるけど、実はめちゃくちゃ負けず嫌いなところとか。
人見知りだけど、心を開いた人には甘えたがりなところとか。
友達思いで、いつも他人の事を一番に考えて行動できるところとか。
誰かを好きになるってことは、その人がいるだけで、毎日がキラキラ輝くってこと。
こんな気持ちになるなんて、れんげに出会う前の俺が聞いたら、
「馬鹿じゃねぇの?」
って笑い飛ばしてたと思う。
恋の力ってほんとにすごいよな。
勉強頑張って、テストは毎回学年順位5位以内に入れるようになったり。
早く走れるようになりたくて毎朝ランニングして、自分なりのトレーニングで体育の成績が上がったり。
その全部が、
『れんげに良いとこ見せたい』
って言う単純な理由なんだから。