7歳の侯爵夫人
軽々と妻を抱き上げて邸のエントランスまで来たオレリアンは、出迎える使用人の前で彼女をおろした。
「コニー。この邸で働いてくれている使用人たちだよ」
オレリアンがそう言うと、コンスタンスは可愛らしくカーテシーをして見せた。
「コンスタンスです。どうぞよろしく」
可愛らしい挨拶に使用人たちは
「奥様!お待ちしておりました!」
と拍手をして歓迎の意を称したが、コンスタンスの後ろにいた侍女のリアは
「お嬢様、目下の者にカーテシーはいけませんよ」
と注意していた。
「しまった」とばかりにコンスタンスが小首を傾げると、また使用人たちがその可愛らしい仕草に沸く。
オレリアンに至っては、目尻を下げて妻の姿を見つめている。
「さあさあ、お二人とも早くお入りください」
マテオに促され、オレリアンはコンスタンスの手を引いて邸の中に入った。
邸内は隅々まで手入れが行き届き、あちこちに花が飾られている。
今までの訪問では気づかなかったが、使用人たちがどれだけあたたかく2人をもてなしてくれているのかわかる。
「訪問ではない…、帰って来たのだな…」
オレリアンは誰に聞かせるともなく呟いた。
今までヒース領に来る時は、まだまだ自分はお客のような気持ちで来ていたのだと思う。
どうしてもまだ押し付けられたような感覚があり、ここが自分の領地だと自覚出来ていなかったからだ。
でもこれからは、ここはヒース侯爵の自領にある本邸であり、オレリアンとコンスタンスの故郷になるのだ。
「今夜の晩餐は、料理人が腕によりを掛けてお待ちしておりましたよ」
マテオにそう言われ、コンスタンスは目を輝かせた。
「さっき見たコーンもあるかしら?ねぇ、旦那様!」
「ああ、きっとあるよ」
オレリアンは新妻に優しく微笑むと、そっとその手を握った。
「コニー。この邸で働いてくれている使用人たちだよ」
オレリアンがそう言うと、コンスタンスは可愛らしくカーテシーをして見せた。
「コンスタンスです。どうぞよろしく」
可愛らしい挨拶に使用人たちは
「奥様!お待ちしておりました!」
と拍手をして歓迎の意を称したが、コンスタンスの後ろにいた侍女のリアは
「お嬢様、目下の者にカーテシーはいけませんよ」
と注意していた。
「しまった」とばかりにコンスタンスが小首を傾げると、また使用人たちがその可愛らしい仕草に沸く。
オレリアンに至っては、目尻を下げて妻の姿を見つめている。
「さあさあ、お二人とも早くお入りください」
マテオに促され、オレリアンはコンスタンスの手を引いて邸の中に入った。
邸内は隅々まで手入れが行き届き、あちこちに花が飾られている。
今までの訪問では気づかなかったが、使用人たちがどれだけあたたかく2人をもてなしてくれているのかわかる。
「訪問ではない…、帰って来たのだな…」
オレリアンは誰に聞かせるともなく呟いた。
今までヒース領に来る時は、まだまだ自分はお客のような気持ちで来ていたのだと思う。
どうしてもまだ押し付けられたような感覚があり、ここが自分の領地だと自覚出来ていなかったからだ。
でもこれからは、ここはヒース侯爵の自領にある本邸であり、オレリアンとコンスタンスの故郷になるのだ。
「今夜の晩餐は、料理人が腕によりを掛けてお待ちしておりましたよ」
マテオにそう言われ、コンスタンスは目を輝かせた。
「さっき見たコーンもあるかしら?ねぇ、旦那様!」
「ああ、きっとあるよ」
オレリアンは新妻に優しく微笑むと、そっとその手を握った。