7歳の侯爵夫人
「7歳…」
誰ともなくポツリと呟く。
だが、それならばコンスタンスが見せたあの幼げな表情も仕草も説明がつく。
「コニー…、可哀想に…」
そっと涙を拭く夫人の肩に、公爵が労わるように手を乗せる。
「…コニー…」
そして皆は、彼女の記憶が王太子の婚約者に決定した翌日から途絶えていることを知り、余計に落ち込んだ。
エリアスは頭を上げ、項垂れる両親を見つめる。
19歳にして完璧な淑女であった妹は、なんと7歳の幼女に戻ってしまった。
辛い思いをさせてきた娘の幸せを願っていた両親にとっては、耐え難い哀しみであろう。
だが…。
エリアスは顔を妹の夫オレリアンの方へ向けた。
年上ではあるが、オレリアンはエリアスにとって義弟である。
この義弟は美しい金髪に蒼い瞳を持ち、かなりの美丈夫だ。
そして、数々の武勲を挙げた、立派な騎士でもあった。
もちろんオレリアンも今のこの状況に混乱はしているのだろうが、実際、心の底からコンスタンスを心配しているかどうかは疑問である。
誰ともなくポツリと呟く。
だが、それならばコンスタンスが見せたあの幼げな表情も仕草も説明がつく。
「コニー…、可哀想に…」
そっと涙を拭く夫人の肩に、公爵が労わるように手を乗せる。
「…コニー…」
そして皆は、彼女の記憶が王太子の婚約者に決定した翌日から途絶えていることを知り、余計に落ち込んだ。
エリアスは頭を上げ、項垂れる両親を見つめる。
19歳にして完璧な淑女であった妹は、なんと7歳の幼女に戻ってしまった。
辛い思いをさせてきた娘の幸せを願っていた両親にとっては、耐え難い哀しみであろう。
だが…。
エリアスは顔を妹の夫オレリアンの方へ向けた。
年上ではあるが、オレリアンはエリアスにとって義弟である。
この義弟は美しい金髪に蒼い瞳を持ち、かなりの美丈夫だ。
そして、数々の武勲を挙げた、立派な騎士でもあった。
もちろんオレリアンも今のこの状況に混乱はしているのだろうが、実際、心の底からコンスタンスを心配しているかどうかは疑問である。