7歳の侯爵夫人
ヒース領での最後の夜は更けてゆく。
腕の中でスヤスヤと眠る可愛い妻の寝顔を見つめ、オレリアンは微笑んだ。

オレリアンは今、本当に、心の底から幸せだった。
明日には王都に戻るが、絶対に妻を離さないと心に誓っていた。
例え彼女の記憶が戻ったとしても。
例えどんなに妻の実家が彼女を返せと言ってきても。
例え…、離縁するよう王命が下ろうとも、コニーを離さないと。

ー生涯、俺の妻はコニー1人だー

オレリアンは妻の額に口付けると、静かに目を閉じた。


こうして、ヒース侯爵夫妻の2ヶ月に渡る蜜月ともいうべき日々は、終わりを告げたのである。
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