7歳の侯爵夫人
だが、それよりもっと怖いのは。
頭痛がするたび目をギュッと瞑るコンスタンスの、その目が再び開かなかったら、と思うことだ。
医者の言うとおり何も異常が無いならばいい。
だが、彼女は頭を打っているのだ。
もし本当に、事故の後遺症だったら?
頭痛を起こすたび、コンスタンスの脳が蝕まれていたら?
それを考えると、怖くて怖くて仕方がない。
彼女が自分を忘れてしまうかもしれないとか、冷たかった夫婦関係を思い出してしまうかもしれないとか、そんなことより、彼女が目の前から居なくなってしまうことの方がずっと怖い。
だからオレリアンは、以前よりさらに、仕事以外の全ての時間をコンスタンスと一緒に過ごすようになった。
自分が見ていないところで頭痛を起こしたら?
もしそのせいで、倒れたりしたら?
そんなことを考え始めると、本当に怖くて怖くて仕方がないのだ。
この頭痛の件はルーデル公爵家にも伝えてある。
公爵家では頭痛や記憶喪失に詳しい一流の医者を探しているようだ。
今日だって本当は、王太子成婚の祝賀ムードに沸く街になど連れて来たくはなかった。
だが一方で、彼女を邸に閉じ込めるようなことはしたくないし、喜ぶことをしてやりたいとも思うのだ。
頭痛がするたび目をギュッと瞑るコンスタンスの、その目が再び開かなかったら、と思うことだ。
医者の言うとおり何も異常が無いならばいい。
だが、彼女は頭を打っているのだ。
もし本当に、事故の後遺症だったら?
頭痛を起こすたび、コンスタンスの脳が蝕まれていたら?
それを考えると、怖くて怖くて仕方がない。
彼女が自分を忘れてしまうかもしれないとか、冷たかった夫婦関係を思い出してしまうかもしれないとか、そんなことより、彼女が目の前から居なくなってしまうことの方がずっと怖い。
だからオレリアンは、以前よりさらに、仕事以外の全ての時間をコンスタンスと一緒に過ごすようになった。
自分が見ていないところで頭痛を起こしたら?
もしそのせいで、倒れたりしたら?
そんなことを考え始めると、本当に怖くて怖くて仕方がないのだ。
この頭痛の件はルーデル公爵家にも伝えてある。
公爵家では頭痛や記憶喪失に詳しい一流の医者を探しているようだ。
今日だって本当は、王太子成婚の祝賀ムードに沸く街になど連れて来たくはなかった。
だが一方で、彼女を邸に閉じ込めるようなことはしたくないし、喜ぶことをしてやりたいとも思うのだ。