7歳の侯爵夫人
オレリアンがコンスタンスの乾いた唇をハンカチで湿らせてやっていると、彼女の睫毛が微かに動いた。
「…コニー…?」
彼女の瞼が薄っすらと開く。
「コニー?気がついたか?」
コンスタンスは目を開くと、ボーっと天井を見上げた。
そして、ゆっくりと目の前の人物に視線を向ける。
「コニー!」
オレリアンは目覚めた妻の顔を見て胸がいっぱいになった。
「奥様!」
リアも主人のベッドに駆け寄る。
「コニー!ああ、良かった!」
しかしそんな夫の顔を見て、コンスタンスは怯えたように目を見開いた。
「……っ!」
起き上がろうとして、頭に手をやる。
「ああ、まだ起きてはダメだよ、コニー」
それでもコンスタンスが無理矢理起き上がろうとするのでオレリアンが手を貸してやろうとすると、彼女はその手をパシリと振り払った。
「…コニー…?」
「…貴方は…、たしか、近衛騎士の方ですよね?」
「…コニー?」
いつもとは明らかに違う妻の様子に、オレリアンは狼狽えた。
コンスタンスはゆっくりと部屋を見回す。
そして、足元の方に立っているリアに目を留めた。
「リア…、ここは、お母様のお部屋よね?何故この方はここにいるの?」
「…奥様?」
「コニー?まさか、俺がわからないのか?」
オレリアンがもう一度手を差し出すのを、コンスタンスは再び振り払った。
「女性に触れるなど、無礼ではありませんか 。だいたい何故眠っていた私の傍にいたのですか?まさか貴方、忍び込んできたの?何の為に⁈」
睨みつけるほどの強い視線を受け、オレリアンは呆然と目を見開いた。
まさか、コニーは…。
「…コニー…」
囁くような呟きを、コンスタンスは拾い上げた。
「どういうことですか?何故私を名前で呼ぶの?私は貴方に名前で呼ぶことを許した覚えはございません」
きっぱりと言い切るコンスタンスに、オレリアンは愕然とした。
「…コニー…?」
彼女の瞼が薄っすらと開く。
「コニー?気がついたか?」
コンスタンスは目を開くと、ボーっと天井を見上げた。
そして、ゆっくりと目の前の人物に視線を向ける。
「コニー!」
オレリアンは目覚めた妻の顔を見て胸がいっぱいになった。
「奥様!」
リアも主人のベッドに駆け寄る。
「コニー!ああ、良かった!」
しかしそんな夫の顔を見て、コンスタンスは怯えたように目を見開いた。
「……っ!」
起き上がろうとして、頭に手をやる。
「ああ、まだ起きてはダメだよ、コニー」
それでもコンスタンスが無理矢理起き上がろうとするのでオレリアンが手を貸してやろうとすると、彼女はその手をパシリと振り払った。
「…コニー…?」
「…貴方は…、たしか、近衛騎士の方ですよね?」
「…コニー?」
いつもとは明らかに違う妻の様子に、オレリアンは狼狽えた。
コンスタンスはゆっくりと部屋を見回す。
そして、足元の方に立っているリアに目を留めた。
「リア…、ここは、お母様のお部屋よね?何故この方はここにいるの?」
「…奥様?」
「コニー?まさか、俺がわからないのか?」
オレリアンがもう一度手を差し出すのを、コンスタンスは再び振り払った。
「女性に触れるなど、無礼ではありませんか 。だいたい何故眠っていた私の傍にいたのですか?まさか貴方、忍び込んできたの?何の為に⁈」
睨みつけるほどの強い視線を受け、オレリアンは呆然と目を見開いた。
まさか、コニーは…。
「…コニー…」
囁くような呟きを、コンスタンスは拾い上げた。
「どういうことですか?何故私を名前で呼ぶの?私は貴方に名前で呼ぶことを許した覚えはございません」
きっぱりと言い切るコンスタンスに、オレリアンは愕然とした。