7歳の侯爵夫人
もう、明らかだった。
明らかに一昨日までのコンスタンスとは違う。
「あ…っ、旦那様に…」
やはり呆然としていたリアが弾かれたように部屋を出て行こうとしたが、オレリアンは「俺が、」と言ってリアを引き止めた。
今部屋に自分と2人きりになってしまったら、コンスタンスは余計に怯えるだろうと思ったのだ。
部屋を出たオレリアンは、扉の前に控えていた使用人に公爵夫妻を呼ぶよう伝えた。
そして、そのまま廊下の壁に背中をつけ、ズルズルとしゃがみこんだ。
眠り続ける妻が目覚めた時、もしかしたら記憶を取り戻しているかもしれないと覚悟はしていた。
1年もの白い結婚と、冷たい夫の仕打ちを思い出すかもしれないと。
だが今目覚めたコンスタンスは、オレリアンが夫であった事実さえ否定しているようだった。
見覚えはあるようだったが、夫と認識していなかったのだ。
(俺を…、近衛騎士と言っていた…?)
それほどまでに、自分は彼女にとって否定したい存在だったのだろうか。
明らかに一昨日までのコンスタンスとは違う。
「あ…っ、旦那様に…」
やはり呆然としていたリアが弾かれたように部屋を出て行こうとしたが、オレリアンは「俺が、」と言ってリアを引き止めた。
今部屋に自分と2人きりになってしまったら、コンスタンスは余計に怯えるだろうと思ったのだ。
部屋を出たオレリアンは、扉の前に控えていた使用人に公爵夫妻を呼ぶよう伝えた。
そして、そのまま廊下の壁に背中をつけ、ズルズルとしゃがみこんだ。
眠り続ける妻が目覚めた時、もしかしたら記憶を取り戻しているかもしれないと覚悟はしていた。
1年もの白い結婚と、冷たい夫の仕打ちを思い出すかもしれないと。
だが今目覚めたコンスタンスは、オレリアンが夫であった事実さえ否定しているようだった。
見覚えはあるようだったが、夫と認識していなかったのだ。
(俺を…、近衛騎士と言っていた…?)
それほどまでに、自分は彼女にとって否定したい存在だったのだろうか。