7歳の侯爵夫人
6
「本当なの…?リア…」
いつも誠実なリアが嘘をつくとは思っていないが、つい問いただすように聞いてしまう。
しかしリアは真摯な目で、コンスタンスを真っ直ぐに見た。
「嘘ではございません、お嬢様。お嬢様はとても侯爵様を慕っていらしたし、また、侯爵様も大変お嬢様を慈しんでおいででした。贈り物が安物なのは、お嬢様の中身が7歳だったからです。侯爵様はいつも、お嬢様が喜ぶような玩具や絵本を贈っていらっしゃいました。特にそのブローチは街の雑貨屋で一緒に選んだのだと、お嬢様も嬉しそうに話しておりましたよ。それと、やはり侯爵様にいただいた青いリボンをたいそう気に入ってらして、いつもお下げを結った先に結んでらっしゃいました」
「お下げ…?青い…、リボン…?」
そう呟くと、コンスタンスは考えるように頭に手をやった。
「それから、そこにありますエメラルドのネックレス…、それは、侯爵様がお嬢様の19歳のお誕生日に贈られたものです」
「…誕生日…?私の…?」
確かに、その見覚えのないネックレスは本物のエメラルドが嵌め込まれているようで、かなり高価なものに見える。
「…19歳の…?」
全く記憶にはないが、確かに自分は19歳になっているらしい。
それを嫌でも自覚させられ、コンスタンスは頭を押さえた。
「お嬢様?!」
「痛い…、なんだか突然…、頭が痛いわ、リア」
「お嬢様!」
「コニー⁈」
一緒に出かけるために妹を迎えに来たエリアスが、しゃがみこむコンスタンスを抱き上げた。
そして、そのままベッドに運ぶ。
気を失いはしなかったが、2ヶ月ぶりに頭痛を起こしたコンスタンスにエリアスもリアも慌てた。
すぐに医者に診せたが、やはり原因はわからなかった。
いつも誠実なリアが嘘をつくとは思っていないが、つい問いただすように聞いてしまう。
しかしリアは真摯な目で、コンスタンスを真っ直ぐに見た。
「嘘ではございません、お嬢様。お嬢様はとても侯爵様を慕っていらしたし、また、侯爵様も大変お嬢様を慈しんでおいででした。贈り物が安物なのは、お嬢様の中身が7歳だったからです。侯爵様はいつも、お嬢様が喜ぶような玩具や絵本を贈っていらっしゃいました。特にそのブローチは街の雑貨屋で一緒に選んだのだと、お嬢様も嬉しそうに話しておりましたよ。それと、やはり侯爵様にいただいた青いリボンをたいそう気に入ってらして、いつもお下げを結った先に結んでらっしゃいました」
「お下げ…?青い…、リボン…?」
そう呟くと、コンスタンスは考えるように頭に手をやった。
「それから、そこにありますエメラルドのネックレス…、それは、侯爵様がお嬢様の19歳のお誕生日に贈られたものです」
「…誕生日…?私の…?」
確かに、その見覚えのないネックレスは本物のエメラルドが嵌め込まれているようで、かなり高価なものに見える。
「…19歳の…?」
全く記憶にはないが、確かに自分は19歳になっているらしい。
それを嫌でも自覚させられ、コンスタンスは頭を押さえた。
「お嬢様?!」
「痛い…、なんだか突然…、頭が痛いわ、リア」
「お嬢様!」
「コニー⁈」
一緒に出かけるために妹を迎えに来たエリアスが、しゃがみこむコンスタンスを抱き上げた。
そして、そのままベッドに運ぶ。
気を失いはしなかったが、2ヶ月ぶりに頭痛を起こしたコンスタンスにエリアスもリアも慌てた。
すぐに医者に診せたが、やはり原因はわからなかった。