7歳の侯爵夫人

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「王妃様がコニーとお茶会をしたいと言っている」
ある日、ルーデル公爵が困ったように家族にそう伝えてきた。
コンスタンスが実家に戻ってから2ヶ月半、オレリアンが姿を見せなくなって半月程経った頃である。

特に隠していたわけでもない為、ヒース侯爵夫人コンスタンスが夫と別居中で実家のルーデル公爵家に戻っているということは噂にもなっており、当然王太子や王妃の耳にも入っていた。
以前ヒース侯爵が1年間にも及び夫人を自領に住まわせていたことを知る世間が、今度こそ離縁かと噂していることも。

もちろん王妃は息子である王太子から聞いて、コンスタンスが記憶を失っていることも承知しているだろう。
しかもその後コンスタンスに起きた出来事は身内しか知らないはずだから、今の彼女は7歳までの記憶しかないと思っているかもしれない。
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