7歳の侯爵夫人
5
「上機嫌だな」
ダレルは馬上で鼻歌まで歌い出しそうなほどご機嫌な主人を見て苦笑した。
コンスタンスがヒース侯爵邸を訪ねた翌日から、またオレリアンのルーデル公爵邸通いが始まった。
彼は以前と同じように仕事帰りに花を一輪だけ買って、公爵邸に寄るのだ。
しかし以前と違うのは、毎日コンスタンス自身がエントランスまで出てきて、直接花を受け取ることである。
コンスタンスは上がってお茶でも、と誘うが、オレリアンはエントランスで花を渡し、少し言葉を交わしただけで帰って行く。
「結婚までしている男女が奥ゆかしいことだ…」とダレルは呆れたような目を向けるが、オレリアンはまたコンスタンスが頭痛を起こしたりしないように、少しずつ、少しずつ距離を縮めていきたいと思っている。
「まぁ、気長にいくさ」
と言うオレリアンの声は明るく爽やかだ。
ダレルは馬上で鼻歌まで歌い出しそうなほどご機嫌な主人を見て苦笑した。
コンスタンスがヒース侯爵邸を訪ねた翌日から、またオレリアンのルーデル公爵邸通いが始まった。
彼は以前と同じように仕事帰りに花を一輪だけ買って、公爵邸に寄るのだ。
しかし以前と違うのは、毎日コンスタンス自身がエントランスまで出てきて、直接花を受け取ることである。
コンスタンスは上がってお茶でも、と誘うが、オレリアンはエントランスで花を渡し、少し言葉を交わしただけで帰って行く。
「結婚までしている男女が奥ゆかしいことだ…」とダレルは呆れたような目を向けるが、オレリアンはまたコンスタンスが頭痛を起こしたりしないように、少しずつ、少しずつ距離を縮めていきたいと思っている。
「まぁ、気長にいくさ」
と言うオレリアンの声は明るく爽やかだ。