7歳の侯爵夫人
ひとしきりオレリアンとの再会を喜んだフィルは、突然パーッと離れたと思うと、口に円盤を加えて戻って来た。
その円盤は以前オレリアンがプレゼントしたもので、フィルの1番のお気に入りだ。
「本当に懐いていますのね」
コンスタンスが驚いたようにオレリアンとフィルを見比べていると、オレリアンから円盤を差し出された。
「貴女からどうぞ?」
「私から?無理ですわ。どうすればいいかわからないですもの」
こんな玩具で遊んだ覚えがないコンスタンスは即座に断った。
困ったようにオレリアンを見上げたが、彼は微かに首を傾げ、微笑んでいる。
「適当に投げるだけですよ。あとはフィルがキャッチしてくれますから」
「…私に出来るかしら」
そう言いながら円盤を受け取ったコンスタンスだが、なんだかそれを投げたことがあるようにも思える。
体が勝手に反応するように円盤を右手に持つと、左肩の後ろまで大きく回した。
切るように空中に放ると、円盤は空に向かって真っ直ぐに飛んだあと、弧を描いて落下して行く。
そこを走って行ったフィルが上手に口でキャッチした。
「ほら、上手い、上手い」
オレリアンが手を叩きながらコンスタンスを振り返ると、彼女は両頬に手を当て、目を大きく見開いていた。
「すごいですわ!」
「ああ、上手に投げられましたね」
「なんていうか、体が覚えている気がしましたの!」
フィルが円盤を持って戻って来ると、コンスタンスは
「フィル!いい子ね!」
とフィルの頭をワシャワシャと撫でた。
「もう一回投げてもいいかしら?」
「もちろん、何度でもどうぞ」
「フィル、行くわよ!」
頬を紅潮させ興奮するコンスタンスを、オレリアンは優しい目で見つめている。
自分との生活は全て忘れてしまっても、彼女の中にやはり『コニー』はいるのだ。
その円盤は以前オレリアンがプレゼントしたもので、フィルの1番のお気に入りだ。
「本当に懐いていますのね」
コンスタンスが驚いたようにオレリアンとフィルを見比べていると、オレリアンから円盤を差し出された。
「貴女からどうぞ?」
「私から?無理ですわ。どうすればいいかわからないですもの」
こんな玩具で遊んだ覚えがないコンスタンスは即座に断った。
困ったようにオレリアンを見上げたが、彼は微かに首を傾げ、微笑んでいる。
「適当に投げるだけですよ。あとはフィルがキャッチしてくれますから」
「…私に出来るかしら」
そう言いながら円盤を受け取ったコンスタンスだが、なんだかそれを投げたことがあるようにも思える。
体が勝手に反応するように円盤を右手に持つと、左肩の後ろまで大きく回した。
切るように空中に放ると、円盤は空に向かって真っ直ぐに飛んだあと、弧を描いて落下して行く。
そこを走って行ったフィルが上手に口でキャッチした。
「ほら、上手い、上手い」
オレリアンが手を叩きながらコンスタンスを振り返ると、彼女は両頬に手を当て、目を大きく見開いていた。
「すごいですわ!」
「ああ、上手に投げられましたね」
「なんていうか、体が覚えている気がしましたの!」
フィルが円盤を持って戻って来ると、コンスタンスは
「フィル!いい子ね!」
とフィルの頭をワシャワシャと撫でた。
「もう一回投げてもいいかしら?」
「もちろん、何度でもどうぞ」
「フィル、行くわよ!」
頬を紅潮させ興奮するコンスタンスを、オレリアンは優しい目で見つめている。
自分との生活は全て忘れてしまっても、彼女の中にやはり『コニー』はいるのだ。