7歳の侯爵夫人
4
「じゃあ、ヒース侯爵様は私の旦那様なの?」
コンスタンスはコテンと首を傾げて父とオレリアンを交互に見た。
要するにコンスタンスは理不尽にも王太子と婚約解消され、オレリアンはさらに理不尽にも王命でコンスタンスを押し付けられたのである。
しかし、今のコンスタンスにそんな難しいことが理解できるわけがない。
コンスタンスが理解したのは、フィリップが隣国の王女様に見初められて、婚約者のいなくなった自分がオレリアンと結婚した…という事実だけである。
「ねぇお父様。侯爵様は私の旦那様なのでしょう?」
「ああ、そうだ、書類上は」
ルーデル公爵が微かに苦虫を潰したような顔をする。
「ふうん」
コンスタンスは夫だというヒース侯爵の顔をマジマジと見つめた。
彼の方もジッとコンスタンスを見返してきたが、やがて居心地が悪そうに視線を逸らした。
(本当にぜんっぜん笑わない人ね)
お顔は綺麗なのにもったいない…、と、コンスタンスは人ごとのように思った。
夫だと聞いても、何も感じない。
それより、フィリップと破局していたということの方がショックである。
コンスタンスはコテンと首を傾げて父とオレリアンを交互に見た。
要するにコンスタンスは理不尽にも王太子と婚約解消され、オレリアンはさらに理不尽にも王命でコンスタンスを押し付けられたのである。
しかし、今のコンスタンスにそんな難しいことが理解できるわけがない。
コンスタンスが理解したのは、フィリップが隣国の王女様に見初められて、婚約者のいなくなった自分がオレリアンと結婚した…という事実だけである。
「ねぇお父様。侯爵様は私の旦那様なのでしょう?」
「ああ、そうだ、書類上は」
ルーデル公爵が微かに苦虫を潰したような顔をする。
「ふうん」
コンスタンスは夫だというヒース侯爵の顔をマジマジと見つめた。
彼の方もジッとコンスタンスを見返してきたが、やがて居心地が悪そうに視線を逸らした。
(本当にぜんっぜん笑わない人ね)
お顔は綺麗なのにもったいない…、と、コンスタンスは人ごとのように思った。
夫だと聞いても、何も感じない。
それより、フィリップと破局していたということの方がショックである。