7歳の侯爵夫人
回想、コンスタンス
1
「フィリップ殿下との婚約は解消することになった」
そうお父様から告げられたのは、私が17歳の時の、月が綺麗な夜でした。
私は返す言葉もなく、ただ涙を流すばかりでした。
だって、何を言えたでしょうか。
フィリップ殿下との婚約解消は王家の決定なのですから。
どんなに辛くても悲しくても、受け入れざるを得ないではありませんか。
私はたしかに、フィリップ殿下をお慕いしておりました。
物心ついた頃はすでに私たちの婚約は整っており、私はこの方が未来の夫なのだとずっと思い定めていたのです。
フィリップ殿下は穏やかでお優しい方で、私はそんな殿下と過ごす時間が大好きでした。
殿下はよく私の銀色の髪を綺麗だと、頭を撫でてくださいました。
翠色の目を可愛らしいと、瞼に口付けてもくださいました。
私はその度に胸の奥がキュンと鳴るのを感じました。
あれはたしかに、私の淡い初恋であったのです。
そうお父様から告げられたのは、私が17歳の時の、月が綺麗な夜でした。
私は返す言葉もなく、ただ涙を流すばかりでした。
だって、何を言えたでしょうか。
フィリップ殿下との婚約解消は王家の決定なのですから。
どんなに辛くても悲しくても、受け入れざるを得ないではありませんか。
私はたしかに、フィリップ殿下をお慕いしておりました。
物心ついた頃はすでに私たちの婚約は整っており、私はこの方が未来の夫なのだとずっと思い定めていたのです。
フィリップ殿下は穏やかでお優しい方で、私はそんな殿下と過ごす時間が大好きでした。
殿下はよく私の銀色の髪を綺麗だと、頭を撫でてくださいました。
翠色の目を可愛らしいと、瞼に口付けてもくださいました。
私はその度に胸の奥がキュンと鳴るのを感じました。
あれはたしかに、私の淡い初恋であったのです。