7歳の侯爵夫人

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王妃様に会うため王宮に向かった日、オレリアン様は王宮で待っていてくださいました。
私は晴れ晴れとした気持ちで彼を見上げました。
この時すでに私は、王宮から戻ったらヒース侯爵邸に戻るつもりでいたからです。

たった半月程のお付き合いしかしておりませんが、私はオレリアン様の優しさ、あたたかさを知っています。
それで、十分だと思いました。
私は彼と、夫婦として歩んでいきたいと思ったのです。

お邸に戻ったら、私は妻として、彼を慕い、彼に尽くすでしょう。
そして、ヒース侯爵夫人として、世間にも、侯爵家にも受け入れられるよう頑張りたいと思うのです。
それが、私を根気強く待っていてくださったオレリアン様に対する、私の感謝の気持ちです。

でもまさか。
まさか、その直後にあんなことになるなんて。
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