7歳の侯爵夫人
2
「旦那様」と呼ばれて驚いたオレリアンは、そう呼んだ少女をマジマジと見つめた。
そこにいるのは1年余り自分の妻であった女性であるけれど、今や全く別人のような少女である。
いつも高く結い上げていた髪は緩くおさげに結ばれ、腕も足も剥き出しで、足にいたっては素足のままだ。
毎日こうして外で遊んでいるからだろうか、病的なほど蒼白かった頬は、健康的に薔薇色に染まっている。
そして何より違うのは、いつも冷静で冷ややかなほどの空気を纏っていた彼女が、好奇心に満ちた丸い目を見開き、輝かんばかりの笑顔で自分を見上げていることだ。
思わず言葉を失ったオレリアンに、コンスタンスはコテンと首を傾げた。
「旦那様、どうなさったの?私に会いに来てくれたんでしょう?」
「あ…、いや…、うん…」
オレリアンは戸惑いながら、足元に転がってきていた円盤を拾い上げてコンスタンスに手渡した。
「ありがとう」
円盤を受け取りながら、コンスタンスはさらに満面の笑みを浮かべる。
「この円盤とっても面白いのよ?
フィルも私もとっても気に入っているの」
「そうか…、良かった…」
「旦那様もそんなところで見ていないで、一緒に遊びましょうよ」
「え……⁈ いや…」
「ほら、早く!」
コンスタンスは躊躇することなくオレリアンの手を掴むと自分の方へ引っ張った。
突然引かれたためオレリアンはバランスを崩し、彼の胸がコンスタンスの頭に触れてしまうほどに接近してしまう。
「…すまないっ…」
焦って謝るオレリアンをコンスタンスは不思議そうに見上げ、
「変な旦那様」
と言ってニッコリ笑った。
そこにいるのは1年余り自分の妻であった女性であるけれど、今や全く別人のような少女である。
いつも高く結い上げていた髪は緩くおさげに結ばれ、腕も足も剥き出しで、足にいたっては素足のままだ。
毎日こうして外で遊んでいるからだろうか、病的なほど蒼白かった頬は、健康的に薔薇色に染まっている。
そして何より違うのは、いつも冷静で冷ややかなほどの空気を纏っていた彼女が、好奇心に満ちた丸い目を見開き、輝かんばかりの笑顔で自分を見上げていることだ。
思わず言葉を失ったオレリアンに、コンスタンスはコテンと首を傾げた。
「旦那様、どうなさったの?私に会いに来てくれたんでしょう?」
「あ…、いや…、うん…」
オレリアンは戸惑いながら、足元に転がってきていた円盤を拾い上げてコンスタンスに手渡した。
「ありがとう」
円盤を受け取りながら、コンスタンスはさらに満面の笑みを浮かべる。
「この円盤とっても面白いのよ?
フィルも私もとっても気に入っているの」
「そうか…、良かった…」
「旦那様もそんなところで見ていないで、一緒に遊びましょうよ」
「え……⁈ いや…」
「ほら、早く!」
コンスタンスは躊躇することなくオレリアンの手を掴むと自分の方へ引っ張った。
突然引かれたためオレリアンはバランスを崩し、彼の胸がコンスタンスの頭に触れてしまうほどに接近してしまう。
「…すまないっ…」
焦って謝るオレリアンをコンスタンスは不思議そうに見上げ、
「変な旦那様」
と言ってニッコリ笑った。