7歳の侯爵夫人
オレリアンは馬から降りると、
「今日はこれを…」
と懐から小さな袋を取り出した。
門の柵の間から差し入れられ、コンスタンスも手を出してそれを受け取る。
開けてみると、色とりどりの可愛らしいリボンが何本も入っていた。
「うわーっ、可愛い。旦那様が選んでくれたの?」
目を輝かせ、キラキラした笑顔で見上げてくるコンスタンスに、オレリアンは思わず片手で口を覆った。
「その…、おさげが、似合っていたから…」
真っ赤になって口元を隠す夫に、コンスタンスは小首を傾げ、少しだけ唇を尖らせる。
「ダメよ旦那様。とても綺麗なお顔なんだから、隠しちゃダメ」
それを聞いたオレリアンは、ますます赤くなる。
でも彼の背後から『ぷっ』と吹き出す声が聞こえて、コンスタンスはそちらを覗きこんだ。
「……どちら様?」
「…失礼致しました、奥様。私は侯爵様の護衛でダレルと申します」
オレリアンの後ろからひょこっと現れた男は、人好きのする笑顔でそう挨拶した。
「旦那様の…、護衛?」
「まぁ…、護衛兼側近兼…、親友かな?」
「親友…?そう、旦那様の親友…。私はコンスタンスよ。よろしくね、ダレルさん」
ニッコリ笑うコンスタンスに、ダレルが目を見張る。
オレリアンにあらかた聞いては来たが、素足で走ってくる侯爵夫人の様子も、弾けるような笑顔も、先程からの主人とのやり取りも、全てが新鮮過ぎて、ダレルは少々面食らっていた。
また、主人の照れ顔も、ダレルには新鮮だった。
「今日はこれを…」
と懐から小さな袋を取り出した。
門の柵の間から差し入れられ、コンスタンスも手を出してそれを受け取る。
開けてみると、色とりどりの可愛らしいリボンが何本も入っていた。
「うわーっ、可愛い。旦那様が選んでくれたの?」
目を輝かせ、キラキラした笑顔で見上げてくるコンスタンスに、オレリアンは思わず片手で口を覆った。
「その…、おさげが、似合っていたから…」
真っ赤になって口元を隠す夫に、コンスタンスは小首を傾げ、少しだけ唇を尖らせる。
「ダメよ旦那様。とても綺麗なお顔なんだから、隠しちゃダメ」
それを聞いたオレリアンは、ますます赤くなる。
でも彼の背後から『ぷっ』と吹き出す声が聞こえて、コンスタンスはそちらを覗きこんだ。
「……どちら様?」
「…失礼致しました、奥様。私は侯爵様の護衛でダレルと申します」
オレリアンの後ろからひょこっと現れた男は、人好きのする笑顔でそう挨拶した。
「旦那様の…、護衛?」
「まぁ…、護衛兼側近兼…、親友かな?」
「親友…?そう、旦那様の親友…。私はコンスタンスよ。よろしくね、ダレルさん」
ニッコリ笑うコンスタンスに、ダレルが目を見張る。
オレリアンにあらかた聞いては来たが、素足で走ってくる侯爵夫人の様子も、弾けるような笑顔も、先程からの主人とのやり取りも、全てが新鮮過ぎて、ダレルは少々面食らっていた。
また、主人の照れ顔も、ダレルには新鮮だった。