7歳の侯爵夫人
7
「だって私、ずっと閉じこもってばかりで飽きちゃったんだもの」
唇を尖らせて訴える娘に、公爵は眉を下げた。
この2ヶ月、たしかにコンスタンスは全く邸から出ていない。
彼女が記憶喪失で幼い少女に戻ってしまったことは極身近な者のみが知る秘密なので外出出来ないのは仕方のないことなのだが。
「だったら私と一緒にルーデル公爵領に行きましょう?あそこならコニーも自由に歩けるわ?」
母である公爵夫人の言葉に、公爵が大きく頷く。
「そうだ、それがいい、コニー。私とエリアスも今の仕事が片付き次第行くから」
だがコンスタンスは膨れっ面をして首を横に振った。
「私、ヒース侯爵領に行きたいわ」
「コニー…」
まるで宥めるように、母がコンスタンスの手を取った。
「1年暮らしたかもしれないけど、今の貴女にとっては全く知らない土地なのよ?周りの人たちだって、知らない人ばかりでしょう?」
「旦那様がいるわ。それに、リアだって、きっと一緒に行ってくれるわ」
「でも…」
「お願いします!」
オレリアンはガバッと頭を下げた。
「絶対にお守りすると誓います!どうか私に、2ヶ月だけチャンスをください!どうか、コンスタンスをお預けください!」
唇を尖らせて訴える娘に、公爵は眉を下げた。
この2ヶ月、たしかにコンスタンスは全く邸から出ていない。
彼女が記憶喪失で幼い少女に戻ってしまったことは極身近な者のみが知る秘密なので外出出来ないのは仕方のないことなのだが。
「だったら私と一緒にルーデル公爵領に行きましょう?あそこならコニーも自由に歩けるわ?」
母である公爵夫人の言葉に、公爵が大きく頷く。
「そうだ、それがいい、コニー。私とエリアスも今の仕事が片付き次第行くから」
だがコンスタンスは膨れっ面をして首を横に振った。
「私、ヒース侯爵領に行きたいわ」
「コニー…」
まるで宥めるように、母がコンスタンスの手を取った。
「1年暮らしたかもしれないけど、今の貴女にとっては全く知らない土地なのよ?周りの人たちだって、知らない人ばかりでしょう?」
「旦那様がいるわ。それに、リアだって、きっと一緒に行ってくれるわ」
「でも…」
「お願いします!」
オレリアンはガバッと頭を下げた。
「絶対にお守りすると誓います!どうか私に、2ヶ月だけチャンスをください!どうか、コンスタンスをお預けください!」